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米軍機墜落のこと

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 くまがや平和寄席実行委員会で「戦後70年の平和への願いを込めた」作品を募集しました。
応募者の作品を紹介いたします。

「米軍機墜落のこと」

 それは終戦直前のことと思うが、確かな記憶はない。
なにしろ70年も前の事で、しかし私が7、8才の頃の話だからだ。
もしかしたら夢の中の事なのかも知れないが、なぜか夏の暑い陽射しと青い空は折にふれ思い出す。
 さて、そんな夏の日熊谷上空で米軍機が(日本の高射砲で撃墜されたのだろうか)墜落しようとしていた。
私も子供心に「バンザイ」と叫んでいたのだろう。
当然のことながら、乗っていた飛行士が死亡したか、捕虜となり殺されたかわからない。
 じきに終戦となり、私は小学4年生から民主主義教育を受けた。
戦後の数々の困難を子供なりに乗り越え新制中学から高校へと進んだ。
 そんな中で、時おり米軍機墜落のことを思い出すのだった。
飛行士はどうなったのだろうか。彼にも本国には父母も兄弟もいただろう。
もしかしたら愛する婚約者も。
そんな風に考えていくと無事本国へ帰っていることを願わずにいられない。
最悪の事態を考えるとまぶたがぬれてくるのだった。
戦争は負けた方勿論、勝った方も不幸にするものだと思う。
 そして、不幸になるのは金持ちや政治家でなく、一般の市民なのだ。
そのことを忘れてはならないと思う。

 熊谷市本石在住

 2015年7月27日 記

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