Quantcast
Channel: 格差のない平和な社会をめざして   
Viewing all articles
Browse latest Browse all 822

介護難民が続出しないか「自治体丸投げの」介護保険制度

$
0
0
 介護の改悪法が国会で成立し、要支援1・2の通所サービスと訪問サービスが、介護保険給付から外れて地域包括センタに移行。つまり要支援1・2の通所サービスと訪問サービの受け皿をしっかり作っていかなければなりません。地域で歳をとることができる、そのための介護の仕組みをつくるための学習をしたいと思います。

 ひとりの党員から介護についてのメールをいただきました。そのメールの文章を参考に考えて行きたいと考えます。

【メールから転載】

介護難民が続出しないか「自治体丸投げの」介護保険制度

 よく言われることだが、三人集まると必ず「飲んでいる薬、通っている病院」などが話題となる。これが高齢者の日常的な光景である。しかし、現在はそれに「介護」の問題が加わってきた。「○○さんは特老を申し込んだが二年も待機が続いている。嫁さんが仕事を辞めたらしい」などなど。

 介護保険から締め出される要介護者

 自民党政権は昨年4月に消費税を8パーセントに増額した。増収分を社会保障の充実にまわすことを確約したのだがその公約は実現せず、それどころか介護保険制度の改定を強行した。

その内容は次の通りである。
要介護1・2の認定者の施設(特別老後施設など)への入所申し込み不可能。
要支援1・2のサービスは「介護保険」の適用から外す。
 確かに、従来も「入所申し込み」をしたものの待機の状態が多い。平成25年現在、全国で約52万人の待機者がいると厚生労働省は報告をしている。この数字は、在宅介護ができないとしたギリギリの状態で申し込んだ方を対象としたのであり、あきらめて申し込みをしない人も含めれば100万人に近い数字になることが予測される。それでも従来までは「並んで施設の切符を受け取るチャンス」があったが、今年4月以降はその順番待ちの行列に並ぶことさえもできない。
 介護保険制度は平成12年4月に制定された。「誰もが安定的に望む介護が受けられるよう、社会全体で要介護者を支える仕組み」として大きな期待をもった。しかし、当初は親族や周囲から「親を施設に入れるのか」という批判を受けるなど、古い習慣の中で悩まれた事実はあったが、あっという間に申し込みが殺到する状況を生み出したのは、それだけ緊急、そして必要制の高かったことを物語るものである。しかし、その基本が、25年後の今日消滅しようとしていることも知らなければならない。

 介護サービスに市町村格差が拡大

 そして、介護保険の適用が受けられない要支援者の「予防介護」がある。その数は2014年10月末現在で168万人となっている。これは鹿児島県の総人口と匹敵する。
【熊谷市の要支援人数、2011人(平成26年(2014年)3月31日現在)、「要介護1」1575人、「要介護2」1435人、「要介護3」1217人、「要介護4」1083人、「要介護5」843人】
この皆さんたちは「訪問介護」(家事援助など)・「通所介護」(ディーサービスなど)が、介護保険の適用から外される。
 全国どこでも、誰でも、同じサービスを同じ金額(本人負担)で受けることができた制度が、これからは市町村の「財力」によって異なることが生じる。つまりサービスが、地域によって異なる「地域間格差の拡大」が生まれることを意味する。 
 それが「自治体丸投げ」というものである。

 市町村の判断でやりなさいが政府の方針

 それでも政府は「地域支援事業」に移してもその財源は補償するから心配ないと言っている。ところが「現在の『要支援者サービス』に伴う財源は3~4%以内である」として、その引き上げを明言していない。
 仮に、要支援者のサービスをもれなく市町村の「地域支援事業」で行うとすれば約6千億円が必要と言われている(2011年度現在)。それは8%程度に匹敵する。その財源を介護保険から受けない限り、本人負担を引き上げるか、またはサービスを引き下げるか、あるいは市町村の財政から引き出すかの選択に迫られることになる。そのことが予想されているにもかかわらず、政府は口が裂けても財源の引き上げを述べてはいない。

(つづく)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 822

Trending Articles